ゼロカーボン

更新日:2024年08月22日

公開日:2024年08月22日

今年の桜は例年より早く咲きはじめ、町内のそこここにある桜が連休前にほぼ満開となっています。ここ10年前あたりから開花が早くなった印象を受けています。

室蘭気象台のさくら開花日の統計資料を見てみると2014年から4月中の開花がほとんどなっています。

私事で恐縮ですが、妻曰く、連れ添い始めて今年が40年目になるそうです。

ちなみに世間ではその年の結婚記念日をルビー婚式と呼ぶようです。そんなことはどうでもいいのですが、昭和59年5月20日、平取町中央公民館での披露宴の日、その年は桜の開花が少し遅かったのかもしれませんが、周辺の桜が満開だった記憶が鮮明に残っています。

あの日と比べると、ひと月近くも早い開花時期ということになります。地球規模での気候変動、温暖化は季節を知らせる身近な植物の生態にも顕著に影響を与え始めているということかもしれません。

将来にわたり人間を含めた生命体が、地球上で生きていける環境がなくてはなりませんが、人間がそれを危うくしているのであれば、それを変える行動が必要です。

平取町では、令和4年度に「ゼロカーボンシティ」を宣言し、その主旨を実現するための「平取町ゼロカーボン推進計画」を策定しています。今ではすっかりおなじみのワードとなったゼロカーボン。温暖化の原因となる二酸化炭素などの排出を抑え、二酸化炭素を吸収する森林などを適切に管理し、差し引きで温室効果ガスの排出量をゼロにする取り組みです。

推進計画では、省エネ対策や木質バイオマスなどの活用による再生可能エネルギーの導入などを図り、2045年に二酸化炭素の排出量を120%削減することとしています。これは国のめざす2050年排出量をゼロとする目標より5年早く、ゼロよりさらに20%削減しマイナスカーボンをめざすというものです。

私が子供のころ、半世紀前には、ゼロカーボンなどという考え方は聞いたこともありませんし、一般的ではありませんでした。

少年雑誌などによく掲載されていた、未来の暮らしはこうなるなどの記事では、宇宙旅行が簡単にできるようになったり、家事はロボットがやってくれるとか、人口が増えて巨大な宇宙ステーションや地底都市に移住するなどの情報にワクワクしました。反対に、石油はあと50年で枯渇し、江戸時代の生活にもどってしまうなどというショッキングな内容のものもあって、子ども心に不安になった記憶があります。

少年雑誌の予想だけでなく、50年前にこんな世界になったらいいなというみんなの願いが、人間が生んだ高度な技術によって実現し、それによって豊かさを感じて暮らしていることも事実です。

50年後、困った状況が予想されることを変えていけるのも、たぶん人間の力にほかならないと思います。

寒い冬を超えて早く桜が見たいという気持ちはありますが、北海道の桜が3月に咲く未来は、望む未来ではないかもしれません。
一緒にゼロカーボンをめざしてまいりましょう。